ひよこの無知独言

日常の営みの中で、考え感じイメージしたことの伝言板

整然と並んだ鷄たちのデモ行進

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 肉鶏飼育の担当になったばかりの頃。
朝一番やる仕事は、鶏たちの間に分け入って彼等の様子を観察する事でした。
「快適かな?」「暑くないだろうか?」「体調の悪そうな鶏はいないだろうか?」「水はちゃんと飲めているだろうか?」などなど注意深く観察しながら歩くのですが、その日の朝は、何か変....
しばらく歩いて振り返ると、大勢の鶏たちが行列をつくって私の後をついて来ているのです。

私が速く歩くとその行列の速度も速くなる。
歩く方向を変えると、行列も同様にカーブする。
何百何千という鶏たちが列をなして自分を追いかけて来るというあり得ない、超現実的な光景に鳥肌が立ち、思わず「ギッャー! 何の用があるんだよッ!」

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 落ち着いて周りをよく見ると、餌皿に全く餌が出ていません。 自動的に餌が出てくる仕組みが故障していたのです。
これでは鶏たち食事が出来ません。
空腹に耐えかね「お腹空いたよー」「何とかしてよー!」と私の後を追いかけるのも無理ありません。
私は、大急ぎで自動給餌機の修理にとりかかりました。心の中は「ゴメン、ゴメン」と鶏たちに平謝り状態でした。


 そんな理不尽な体験にめげることなく、鶏たちは元気良く成長してくれたことは言うまでもありません。
きっとな美味しい鶏肉となって活躍したことでしょう!