孵化してから約50日。雛達は3kg前後の体重になり、姿形はすっかり鷄に変身している。
実際は52日令から出荷が始まる。
彼等のギーギー鳴き叫ぶ声を聞きながら捕まえ、出荷カゴに入れていく。
鳴き叫ぶ声が大きいほど、「捕まりたくない!」と抵抗すればするほど「良くぞ元気に成長してくれたネー。」と目を細めてニンマリ。
雛を受け入れる入雛時と同様、出荷作業もやはり気分は担任教師。
就職や進学が決まり、卒業していく教え子達を幸多かれと送り出す。もちろん教師などやった事がないので、全くの妄想なのだが。
彼等の進路は、100%決まっている。
翌日に放血、解体、精肉されて鷄肉になって流通されること。
「願わくは、美味しい鷄肉になります様に。」
「一家団欒の食卓で、思いっ切り大活躍するんだよー!」などと願うばかりだ。