今回も何故か、一人暮らしの年配女性との話題。前回の『お茶 物語』の女性とは別の方。
随分と前の事だけど、最近思い出した。
その女性の佇まいは、何処か凛としていた。
女性の家は古かったが、朽ちているというより、古さが味となって染み出ているような、モダンで確りとした造りの家だった。
洋風の部屋。ソファーに腰掛け、短い時間だったが『茶飲み話し』を楽しんだ。
亡くなったご主人のことを、問わず語りに話して頂いた。
定年後の悠々自適な暮らし。
ご主人の楽しみは読書。
時折、数冊の本を持って一人で別荘に行く。
その別荘で、存分に読書をして過ごすことを、何よりの楽しみにされていた。
窓からは青い海が見えたという。
そして、亡くなられたのは、その別荘。
本を読みながらの姿で事切れていたそうだ。
「うーむ、何という理想的な死に方!」
不謹慎にも、思わず口走った。
女性はこちらを見ながら、ゆっくりと頷いた。
別れ際、「あなたは、他人の話しをよく聴いてくださる方ね。」と言って頂いたのが、とても嬉しかった。
『死ぬまで生きる。』極々当たり前の事実だ。
命がなくなったら死ぬし、いつなくなるか誰も分からない。
追伸①、ご主人は椅子から落ちて倒れた状態で発見され、テーブルの上には読みかけの本が置いてあったという事だったかも知れない。
ちょっと記憶がはっきりしない。
追伸②、こんなブログにも★マークをつけてくれた方がいて、とても嬉しく思い、その方のブログを拝見した。
とても興味深く読ませて頂いた。
色々、触発されるものがあった。
そして、このエピソードを思い出させてくれた。